平成29年税制改正により使いやすくなった事業承継税制
後継者不足や経営者の高齢化といった状況から、事業承継問題は国として対処すべき問題となってきています。
平成29年税制改正においては、特に非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度がより使いやすくなりました。
非上場株式の納税猶予制度とは?
先代経営者の親族である後継者が相続・贈与により取得した非上場株式のうち議決権の2/3に達するまでの課税価格の80%(贈与は100%)に対応する税金について、納税が猶予され、後継者が死亡した場合等は免除される制度です。
制度の適用にあたっては様々な条件があり、加えて経済産業大臣の認定が必要であるため利用者の数が伸び悩んでいるのが現状ですが、うまく使う場合は非常に有効な制度です。
5年間は事業継続要件が満たさないと納税義務が生じる
非上場株式等の納税猶予の特例を適用した場合、申告期限から5年間又は納税者の死亡のいずれか早い日までを「経営承継期間」として、一定の「事業継続」と「全株保有」が継続適用の要件になっています。5年以内に以下に該当した場合納税義務が生じますが実務では特に(2)の雇用要件が争点になりやすいです。
- 原則として後継者が代表者でなくなった場合
- 基準日の常時使用従業員数の5年平均が80%未満になった場合
- 後継者とその同族関係者で議決権数の50%以下となった場合
- 後継者となった同族関係者間で筆頭株主でなくなった場合
- 株主等の一部の譲渡又は贈与をした場合
- 会社分割・組織変更等があった場合で、金銭等の交付を受けた場合
- 会社が解散又は解散したとみなされた場合
- 会社が上場会社・資産管理会社・性風俗営業会社等に該当した場合
- その他の要件
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